days of thousand leaves

文学研究者のひとりごと

最近の仕事(2017年2月、3月)

方法論としての「文学のふるさと」―坂口安吾における「芥川龍之介」―

(「近代文学合同研究会論集」第13号、2017・2)

坂口安吾文学のふるさと」(1941)における「芥川龍之介」の語られ方に改めて注目し、文学表現上の方法論としてこのエッセイを読み直す試み。ここで提示された方法論がいかに実践されたのか、あるいはされ得なかったのか、ということの事例として、小説「紫大納言」および「イノチガケ」にも言及しました。


文字を「書く」ことの「不自然」さについて―多和田葉子『雪の練習生』論―
(「人文研究」第46号、2017・3)

三代にわたる熊の自伝という奇妙な設定で書かれた多和田葉子の小説『雪の練習生』(2011)について、人と動物の境界と言語、という観点から論じたもの。一年前に書いた「動物・ことば・時間―〈動物と人間の文学誌〉のための覚え書き」(「千葉大学人文社会科学研究」32、2016・3)という論文の続編に当たるものです。


*前者は2015年度の近代文学合同研究会シンポジウムでの報告内容をまとめたもの、後者は2015年度に千葉大で行った講義内容の一部をまとめなおしたものです。