days of thousand leaves

文学研究者のひとりごと

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

最近の仕事(2015年3月分)

「地図と痕跡―大岡昇平『武蔵野夫人』論」 (千葉大学「人文研究」44、2015・3) 創元文庫版以後、今日における流布本文である新潮文庫版まで、『武蔵野夫人』の巻頭にはかならず「『武蔵野夫人』小説地図」と題した図版が掲載されており、この小説の読解は…

沈黙の言葉

ちょっと捜しものがあって、HDDの中のファイルをいろいろと開いていたら、だいぶ前に書いた文章が出てきた。 これは、前の職場(学習院高等科)で文芸部の学生に、文化祭に合わせて発行する会誌に何か寄稿してほしいと求められて、大急ぎで書いたものだった…

教科書をめぐる雑感

「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」 息子が年度初めに学校で受け取ってくる教科書には、このような文言が必ず入っている。 これについて、「国家や政府に感謝しろ」と…