days of thousand leaves

文学研究者のひとりごと

研究

いわゆる学会の「印象記」というものについて

学会の刊行物に掲載される、研究報告に関する印象記のあり方についての日比さんの問題提起。 学会向け批評記事のウェブ先行公開は、愚挙なのか - 日比嘉高研究室 依頼を受けて書いた文章を(バージョン違いとはいえ)依頼元より先に公開しちゃまずかろう、と…

最近の仕事(2017年2月、3月)

方法論としての「文学のふるさと」―坂口安吾における「芥川龍之介」―(「近代文学合同研究会論集」第13号、2017・2)坂口安吾「文学のふるさと」(1941)における「芥川龍之介」の語られ方に改めて注目し、文学表現上の方法論としてこのエッセイを読み直す試…

研究会のご案内(2016年12月27日開催)

※今年度からスタートしたばかりの共同研究ですが、今回はゲストをお招きしての意見交換会ということで、メンバー外の方のご参加も歓迎いたします。 - 科研費共同研究「占領期ローカルメディアに関する資料調査および総合的考察」第2回研究会 日時:2016年12…

最近の仕事(2016年10月)

数年越しで関わってきた雑誌「月刊にひがた」(1946〜1949年に新潟日報社が刊行していた月刊総合誌)の復刻がようやく完結しました。最終配本の今回は、別冊として「解題、総目次、執筆者索引」も付きます。 「解題」では、新潟で刊行されていた地方雑誌に、…

最近の仕事(2016年3月)

「動物・ことば・時間――〈動物と人間の文学誌〉のための覚え書き」 (「千葉大学人文社会科学研究」32、2016・3) イエルク・シュタイナー(文)イエルク・ミュラー(絵)の絵本『ぼくは くまのままで いたかったのに……』(大島かおり訳)、宮沢賢治「なめと…

最近の仕事(2016年2月)

「新潟日報」に『月刊にひがた』から見る敗戦直後の地方雑誌についての短文を寄稿しました。 (「新潟日報」2016年2月13日 朝刊28面) 復刻版の最終配本時に付けることになる解題のパイロット版といった感じの内容です。

『月刊にひがた』復刻版

三人社から復刻版の刊行が始まり、「新潟日報」紙面でもご紹介いただきました。

近代文学合同研究会 第15回シンポジウムのご案内

近代文学合同研究会第15回シンポジウム 『昭和十年代の「芥川龍之介」―「文学のふるさと」を視座にして―』 〔日 時〕2015年12月12日(土)午後2時より 〔会 場〕慶応義塾大学三田キャンパス 南校舎5階452教室 〔パネラー〕 大原祐治:「芥川龍之介」の使い方…

太刀とペン

日本文学協会の大会(文学研究の部)に参加してきた。テーマは「定番教材を問い直す―芥川龍之介『羅生門』。 特に思い入れのある小説でもないし、高校で教えていた頃にも授業で扱ったことはないのだが、討議の内容には、いくつかの点で刺激を受けた。パネラ…

文章表現と規範

本務校で例年開講している「普遍教育」(いわゆる一般教養)の授業で、今年は「国語」教科書の中の文学作品を再読してみよう(ただし、文学研究の視点から)、というような講義をしてみた。 扱った作品は『舞姫』『こころ』から始めて、『走れメロス』『夏の…

シンポジウム(2015.07.23 @千葉大学)の後に

今日のシンポジウムには、学部生、大学院生、卒業生、現職教員、教員OB、さらには様々な立場の市民まで、多くの方々が参加していたようです(大幅に時間を延長してもなお、手が上がり続ける状況でした)。 私自身は、もともと大した話を用意していったわけで…

緊急シンポジウムのお知らせ

千葉大学内で「安全保障関連法案」について考える緊急シンポジウムを開催することになりました。 日時:7月23日(木)17時45分〜19時 会場:総合校舎C-12 趣旨説明、何名かの研究者からの発言の後、ご来場の皆さんでのフリートークということになるようです。…

文学研究とドーナツの穴

大学の文学部は「文学」を学ぶ(だけの)場ではない。文学部とは「文」(=人文学)について学ぶ、すなわち「言葉」で語られ/記された知について学ぶ場である。 その意味で、わかりやすく単純化して言ってしまえば、文学部とは「リテラシー」を鍛える場であ…

「必要なの?」という声にどう応えるか

http://www.asahi.com/articles/ASH685CJLH68UTIL01W.html http://www.asahi.com/articles/ASH653VNRH65UPQJ001.html こうした国立大学の人文社会系、教員養成系への改廃要請の話、これからどうすべきなのか、というのはかなりの難問だろうと思っている。 学…

最近の仕事(2015年3月分)

「地図と痕跡―大岡昇平『武蔵野夫人』論」 (千葉大学「人文研究」44、2015・3) 創元文庫版以後、今日における流布本文である新潮文庫版まで、『武蔵野夫人』の巻頭にはかならず「『武蔵野夫人』小説地図」と題した図版が掲載されており、この小説の読解は…

沈黙の言葉

ちょっと捜しものがあって、HDDの中のファイルをいろいろと開いていたら、だいぶ前に書いた文章が出てきた。 これは、前の職場(学習院高等科)で文芸部の学生に、文化祭に合わせて発行する会誌に何か寄稿してほしいと求められて、大急ぎで書いたものだった…

坂口安吾研究会のご案内(ゲスト いとうせいこう氏・陣野俊史氏)

坂口安吾研究会 第26回研究集会のご案内です。 来聴自由、入場無料です。

フィクションについての雑感

フィクションとは何か? という、文学研究者にとっては最も根源的な問いでありながら、ともすればきちんと考えることをなおざりにしがちな問題に関する研究会に混ぜてもらって、末席からお話を拝聴してきました。 本当はお話拝聴だけではなくきちんと積極的…

最近の仕事(2014年6月分)

『防空と空襲(コレクション・モダン都市文化 第100巻)』 (2014年6月、ゆまに書房) 田辺平学『空と国 防空見学・欧米紀行』(一九四三年、相模書房)および神宮寺晃『姿なき空襲』(一九四三年、新泉社)の二冊を写真版で収録したシリーズ最終巻の解題、関…

安吾ゆかりの「月刊にひがた」(「新潟日報」20140607)

ここ数年取り組んでいた占領期の地方雑誌「月刊にひがた」の調査について、当の雑誌の刊行元だった「新潟日報」で紹介していただきました。 当該記事は、ウェブ上では会員登録してログインしないと見られないようなので、コピーをこちらにあげておきます。 …

最近の仕事(2014年3月分)

「雑誌「月刊にひがた」総目次(下)」(「人文研究」第43号、2014年3月) 1年前に刊行した総目次の続編(解題部分も少し補足しました)。 「月刊にひがた」は、占領期に新潟の地方新聞社である新潟日報社が刊行していた総合誌です。この時期のローカル・メ…

最近の仕事(2013年12月分)

年末に刊行された論文です(実は太宰について書くのは初めてだったりします)。 「〈戦後〉の始め方―太宰治「パンドラの匣」論―」 (「近代文学合同研究会論集」第10号、2013年12月)敗戦直後の1945年秋、津軽に疎開中の太宰治が地方紙「河北新報」の依頼を…

文学研究と「読む」こと ※2013.11.05 ちょっとだけ追記

文学研究の仕事とは? ということについて、最近ツイッターで書いたことをこちらにまとめ直しておきます。

名前と連なり

何かに名前を連ねることへの違和について考える。

最近の仕事

最近の仕事は、以下のような感じです。 〔論文〕 「文学史の彼岸―「文藝春秋」創刊と大正期の文芸メディア」 (宮原琢磨(編著)『21世紀の学問方法論(日本大学文理学部叢書)』(2013・4、冨山房インターナショナル) 様々な学問領域の方法論を概説する本の中で…

年の初めに考えたこと

*2013年1月3日 海ほたるにて 新年の目標(というより、自分への戒めとして…)

文学研究のクロニクルとシステム

日本近代文学会2012年度11月例会は「文学研究というシステム」に関する特集。冒頭で司会席から、この学会の動向=歴史について語られた後、三人の方による発表、そして討議。

サイト更新

久しく更新を怠っていたホームページを更新。 「便利なサイト集」(研究関係のリンク集)や業績等を更新しました。

論文の訂正

最近書いた論文を見直していたら、恥ずかしい間違いを発見 してしまった。 「モダニズムからの訣別―坂口安吾と同時代芸術」 (「人文研究」40、2011・3)の36〜38頁、室生犀星の 「ピアノの町」について言及した部分で、「誰の作だか忘れた が大田黒元雄の「…

日本近代文学会北陸支部大会

来たる2011年12月3日(土)、日本近代文学会の北陸支部大会にて 「占領期ローカルメディアと文学者」 という発表をしてきます。 支部会員のみなさま宛の案内には「北陸の同人誌についての研究発表」 とありますが、実際には北陸の同人誌「についても若干言及…