days of thousand leaves

文学研究者のひとりごと

最近の仕事(2013年12月分)

年末に刊行された論文です(実は太宰について書くのは初めてだったりします)。


「〈戦後〉の始め方―太宰治パンドラの匣」論―」 (「近代文学合同研究会論集」第10号、2013年12月)

敗戦直後の1945年秋、津軽疎開中の太宰治が地方紙「河北新報」の依頼を受けて連載した「パンドラの匣」(戦時下に版組まで完成しながらゲラを残して焼失した作品をもとに、新規に書き下ろされた作品)に注目し、「健康道場」(結核患者の療養所)を舞台に繰り広げられる物語を敗戦直後におけるメディア環境および表現者の寓意として読む。