days of thousand leaves

文学研究者のひとりごと

2015-01-01から1年間の記事一覧

近代文学合同研究会 第15回シンポジウムのご案内

近代文学合同研究会第15回シンポジウム 『昭和十年代の「芥川龍之介」―「文学のふるさと」を視座にして―』 〔日 時〕2015年12月12日(土)午後2時より 〔会 場〕慶応義塾大学三田キャンパス 南校舎5階452教室 〔パネラー〕 大原祐治:「芥川龍之介」の使い方…

太刀とペン

日本文学協会の大会(文学研究の部)に参加してきた。テーマは「定番教材を問い直す―芥川龍之介『羅生門』。 特に思い入れのある小説でもないし、高校で教えていた頃にも授業で扱ったことはないのだが、討議の内容には、いくつかの点で刺激を受けた。パネラ…

8月30日に

家族で外出していた日曜日。 16時を少し過ぎた頃に、桜田門駅から国会前に向かってみた。この夏、これまでにも何度か足を運んでいたが、今回は初の家族連れ。昼間には用事があったということもあるけれど、安全確保の問題も考え、ピークが過ぎているであろう…

文章表現と規範

本務校で例年開講している「普遍教育」(いわゆる一般教養)の授業で、今年は「国語」教科書の中の文学作品を再読してみよう(ただし、文学研究の視点から)、というような講義をしてみた。 扱った作品は『舞姫』『こころ』から始めて、『走れメロス』『夏の…

シンポジウム(2015.07.23 @千葉大学)の後に

今日のシンポジウムには、学部生、大学院生、卒業生、現職教員、教員OB、さらには様々な立場の市民まで、多くの方々が参加していたようです(大幅に時間を延長してもなお、手が上がり続ける状況でした)。 私自身は、もともと大した話を用意していったわけで…

緊急シンポジウムのお知らせ

千葉大学内で「安全保障関連法案」について考える緊急シンポジウムを開催することになりました。 日時:7月23日(木)17時45分〜19時 会場:総合校舎C-12 趣旨説明、何名かの研究者からの発言の後、ご来場の皆さんでのフリートークということになるようです。…

文学研究とドーナツの穴

大学の文学部は「文学」を学ぶ(だけの)場ではない。文学部とは「文」(=人文学)について学ぶ、すなわち「言葉」で語られ/記された知について学ぶ場である。 その意味で、わかりやすく単純化して言ってしまえば、文学部とは「リテラシー」を鍛える場であ…

「必要なの?」という声にどう応えるか

http://www.asahi.com/articles/ASH685CJLH68UTIL01W.html http://www.asahi.com/articles/ASH653VNRH65UPQJ001.html こうした国立大学の人文社会系、教員養成系への改廃要請の話、これからどうすべきなのか、というのはかなりの難問だろうと思っている。 学…

最近の仕事(2015年3月分)

「地図と痕跡―大岡昇平『武蔵野夫人』論」 (千葉大学「人文研究」44、2015・3) 創元文庫版以後、今日における流布本文である新潮文庫版まで、『武蔵野夫人』の巻頭にはかならず「『武蔵野夫人』小説地図」と題した図版が掲載されており、この小説の読解は…

沈黙の言葉

ちょっと捜しものがあって、HDDの中のファイルをいろいろと開いていたら、だいぶ前に書いた文章が出てきた。 これは、前の職場(学習院高等科)で文芸部の学生に、文化祭に合わせて発行する会誌に何か寄稿してほしいと求められて、大急ぎで書いたものだった…

教科書をめぐる雑感

「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」 息子が年度初めに学校で受け取ってくる教科書には、このような文言が必ず入っている。 これについて、「国家や政府に感謝しろ」と…

坂口安吾研究会のご案内(ゲスト いとうせいこう氏・陣野俊史氏)

坂口安吾研究会 第26回研究集会のご案内です。 来聴自由、入場無料です。

謹賀新年2015

元旦の空(息子撮影@実家付近) 新年明けましておめでとうございます。 昨年までは前厄、本厄、後厄と続きましたが、幸いとてつもない厄災は経験せずに済みました(細かく数え上げればいろいろあったと思いますが、もう忘れたことにします……)。 厄が明ける…