days of thousand leaves

文学研究者のひとりごと

無銭優雅



通勤電車の中で、最近手に入れた渋谷毅津上研太「無銭優雅」を
聴いています。囁くようなサックスと呟くようなピアノ。
決して鬱陶しくはならない、大人の感傷。



この微妙なパセティックさの向こう側には「物語」があるらしく、
それは山田詠美氏によるライナーノーツに記されています。


研太さんは、私が大学時代に所属していたジャズ系サークルの大先輩。
当時はよく部室に顔を出してくれて、間近に演奏を聴かせてくれて
ました。サークルの昔の定演のテープに残っていた熱演を繰り返し
聴いていたことも思い出します。


自分が所属していた頃のバンドは、メンバーも全く足りない
ドン底の時期、研太さんがいた頃のバンドは、全くの黄金期。
研太さんより上の世代でも、何人かプロミュージシャンが輩出して
いたはず。


ちなみに、そのバンドはここ数年、また黄金期を迎えているよう
だけれど、彼らは大昔の黄金期や、これ以上ないようなドン底の
時期(何せ、ビッグバンドのくせに正規のメンバーが3人くらいしか
いなかった…)のことなど、知らないのだろうなあ(別に、そんなこと
知らなくてもかまわないのだけれど…)


で、話は戻って、最近の録音で聴く研太さんだけれど、
これがすっかり「大人」の演奏でカッコイイ。


昔の「ヤンチャ」な演奏がなつかしく思い出されてもくるのですが、
最近の演奏を聴いていても、やはりふとしたフレージングとか
音色とか歌い方とかで、「お、研太さんだ!」と思う。


最近はすっかりライヴハウスのような場所から足が遠のいている
のだけれど、久々にライヴに行きたいなあ、と思い始めています。
(…そんな暇、あるのか?)


それにしても、研太さんと山田詠美氏に接点があるなんて、
知らなかった。