days of thousand leaves

文学研究者のひとりごと

金沢へ(その2)

2日目はまず、金沢市立玉川図書館へ。


こちらにも金沢大や県立図書館にはない資料があったので
ホテルからてくてく歩いて出かけました。こちらでは複写も
デジカメ撮影もお許し頂きました。



午後からは研究会に参加することになっていたのですが、少し時間が
余ったので、さらにぷらぷらと散歩へ。


金沢の街はそれなりに広いので、あちこち見てまわるにはバスを
うまく使いこなすのがおススメ、というようなことがガイドブックや
パンフレットのようなものによく書いてあるのですが、
今回はひたすら歩き回ってしまいました。


まず、百万石通り沿いの風情のある建造物を眺めながら浅野川の方へ。




さらに浅野川大橋を渡って、徳田秋声記念館へ。
徳田秋聲桐生悠々―反骨の人」という特別展をやっていました。



なかなか興味深い展示でした。とりわけ、検閲・発禁と闘いながらも
対米英開戦直前の1941年に個人雑誌「他山の石」の廃刊を余儀なくされた
ジャーナリスト・桐生悠々が知人宛に送った葉書の文面は、鬼気迫るものが
ありました。


「時偶小生の痼疾咽喉カタル非常に悪化し流動物すら嚥下し能はざるやうに
相成やがてこの世を去らねばならぬ危機に到達致候故小生は喜んでこの
畜生道に堕落しつゝある地球の表面より消え失せることを歓迎致候も
唯小生が理想としたる戦後の一大軍縮を見ることなくして早くもこの世を
さることは如何にも残念至極に御座候」


秋声が「縮図」中絶させるのも、この直後のこと―。


秋声記念館の後は、さらに泉鏡花記念館へ。



こちらは、鏡花作品をモチーフにしたインスタレーションなどもあって、
ちょっと美術館(?)的な要素のある場所。


時間の関係上、こちらはあまりゆっくり見られなかったのですが、
ちょうど企画展「泉鏡花×中川学『龍潭譚』」というのを
やっており、作品の展示と共に、フリーハンドで書いた下絵をMac
取り込みIllustratorで処理する…といった作成法も説明されていました。


なかなかきれいな作品だったので、土産に絵はがきを購入。
そういえば、うちの息子の名前はこの作品の主人公と同じ(漢字は
違いますが)なのでした。


その後、金沢城公園にも立ち寄りつつ街の中心部へ。



芝生に寝転んで昼寝したい欲望に駆られつつも、午後は金沢大の
サテライトキャンパスで開かれることになっていた勉強会に参加。


終了後は、ラブロ片町裏の渋い居酒屋で地酒にあわせて刺身やら
ふぐの白子の石焼きやら、郷土料理(治部煮ほか)やらを堪能。


さらに、付近の「新天地」(旧青線?)なるディープな飲み屋街も
見学(?)し、最後には〆のラーメンまで。すっかり満腹で、ホテル帰館後は
爆睡zzz…


コーディネイトしてくださった金沢大の杉山さんに感謝です。