days of thousand leaves

文学研究者のひとりごと

ザリガニと暮らす

水槽の中でピースサインを繰り返すザリガニ。餌くれー、とねだっているようでもある。かわいい。。



泊まりがけの出張に出ていた日のこと、気がつくと携帯に自宅からの着信とメールがたくさん。


何事かと思って慌てて確認すると、息子がザリガニを持って帰ってきた、どうしたらいい?(涙目)、といった趣旨の内容。



水は水道水? それとも塩水? というところから始まる内容だったので、これは大変だ、と思って連絡を返す。


この日はちょうど、息子の通う小学校の納涼会(PTA行事)で、お化け屋敷やら金魚すくいやら、いろいろな出し物があったのですが、息子はザリガニ釣りにハマッてしまった模様。


事前に聞いていた話では、小学校の観察池でザリガニがかなりたくさん繁殖してしまっていたようで、学校としては子どもたちにザリガニをたくさん釣らせて、持ち帰らせたかったらしい。


私自身は小学生の頃、ザリガニを飼っていたことがあるし、まあどうにかなるだろうと思って、出先からとりあえずの扱い方について説明し、出張から戻ってすぐ、水槽やら砂利やらを仕入れに行くことに。


しかし、3匹もいたザリガニを一つの水槽に入れたせいもあってか、1匹は一晩のうちに死亡。可哀想なことをしたなあ、と思いながら、土に埋めて割り箸の墓標を立てて上げることにしました。


翌朝、顛末を聞いた息子は、特に泣いたりはしなかったけれど、自発的にその墓標の前に行って、手を合わせたりしていました。


(人間以外の)生き物と暮らすということは、必然的にその生き物の「死」に立ち会うことになる。うちには齢16歳の老ネコもいるので、こちらもいつかは看取ることになる。


息子にとっては悲しい経験だろうけれど、必要な経験でもある。都会のマンション暮らしでは経験できる内容にかなり限りがあるけれど、こういう経験はさせておきたいなあ、と思う父なのでした。


以下、余談。


実は私自身は子どもの頃、ザリガニ「釣り」ということをしたことがありません。


野蛮な田舎育ちの私の周辺では、ザリガニを捕りに行く、というと、それは追い込み漁(?)みたいな捕り方をするものでした。


細い小川(用水路)の上流と下流にそれぞれ何人かの子どもが入って、一方がザリガニを追い立て、もう一方が網で掬い取る、というようなかなりワイルドな捕り方しかしたことがないのです。


だから、初めてザリガニを釣る、という話を聞いたときには何のことだかさっぱり分からず、さきイカを結びつけて糸を垂らすとザリガニがくっついてくるなんて、そんなに簡単にザリガニが捕れるのか! とちょっとびビックリしました(どれだけ原始人だったのか…という話ですが)。